物語
1941年第二次大戦前夜。ヒットラー、ムッソリーニ、スターリンとの会合を終えた山下奉文陸軍大将と部下の佐伯大尉はモスクワ駅からシベリア超特急に乗り込もうとしていた時、2人の元に緊急電報が入る。満州里につくまでの7日間に、とある地図を確保しろという指令だった。その地図とは、若き冒険家・裕木小次郎がモンゴルで発見した義経の秘宝のありかを描いた古地図のことだった。どうやらこの古地図を求めて、様々な男女がこのシベリア超特急に乗り合わせているらしかった。それぞれの想いが交錯する中、シベリア超特急はモスクワ駅を後にし、満州里に向かって激走し始めたその時、第一の殺人事件が発生。容疑者は乗員乗客。犯人は誰なのか? 行方不明の地図はどこに? 盗まれた地図を探す冒険家と、それを狙う満州浪人、山下大将の命を狙う者は一体誰なのか? すべてが謎に包まれたまま疾走するシベリア超特急の中で、第二の殺人が起きようとしていた。