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鉄道員

上映会場:野田市 野田市文化会館
上映時間:2005年10月16日 10:00〜

第23回日本アカデミー賞最優秀作品賞
1999年/日本語/112分/東映

監督:降旗康男

1934年8月19日長野県出身。57年東京大学文学部フランス文学科卒業後、東映東京撮影所に入社。助監督を経て66年「非行少女ヨーコ」で監督デビュー。同年、「地獄の掟に明日はない」で高倉健と初顔合わせ以後「網走外番地」シリーズのうち6作、78年「冬の華」81年「駅STATION]83年「居酒屋兆治」85年「夜叉」89年「あ・うん」等の作品で高倉健と共に、数々の傑作を世に送っている。最近作は95年「蔵」97年「現代任侠伝」。

物語

北の果ての小さな終着駅で、不器用なまでにまっすぐに、鉄道員(ぽっぽや)としての人生を送ってきた佐藤乙松(おとまつ)。愛する妻や一人娘を亡くした日さえも、男は駅に立ち続けた。今年で定年を迎える乙松は、彼と彼と運命を共にするように廃線が決まった北海道のローカル線の駅長だった。駅を守りつづけながらも、かつて愛する妻と幼い一人娘の命さえ守れなかった苦い悔恨は、乙松の心に深く宿っていた。降りしきる雪に汽車が何分遅れようとも、制帽を目深にかぶり、背筋を伸ばして、氷点下30℃近い極寒のプラットホームに立ちつづける乙松の姿はまるで自分自身に厳しい罰を与えているかのようだった。そんなある日、いつものように気動車を見送り、ホームの雪掻きをしていた乙松のもとへ、愛らしい少女がやってくる。見慣れない顔に、この町の子ではないと思う乙松。今度一年生になるの!あどけない笑顔で話す少女の手には、時代遅れの人形が抱かれていた。二言三言の会話を残して風のように走り去っていく少女を、目を細めて見送る乙松。ありふれた日々のなにげない出来事に思えたこの出会いこそ、孤独な乙松の人生に訪れた、やさしい奇跡の始まりだった。

解説

日本中を暖かな涙と深い優しさで包み込んだ浅田次郎の氏の短編小説「鉄道員(ぽっぽや)」(第117回直木賞受賞)。幻想的な風景描写とひたむきで魅力的な登場人物が織りなす愛と奇跡の物語は幅広い世代の共感を呼び、140万部を超えるベストセラーとなった。物語の舞台は北海道の雪深いさびれた町。主人公を演じるのは世界に誇る日本の映画スター高倉健。企画の段階から乙松役はこの人しかいないと言われていただけに、5年ぶりの映画出演とあいまって期待と注目を一身に集めた。また、妻・静枝役には映画・テレビ・舞台と活躍著しい大竹しのぶ。難しい役どころながら、2人は初共演とは思えない程見事に息の合った演技を見せてくれる。そして、たった一人で駅を守りつづける乙松に一夜の優しい夢を届ける少女役を演じるのは広末涼子。乙松の同僚で親友でもある杉浦仙次役には小林稔侍。他にも吉岡秀隆、安藤政信、奈良岡朋子、田中良子、さらに本格的な映画出演は初めてという志村けんなど、各世代を代表する豪華共演陣が名を連ねている。

スタッフ

  • 原作:浅田次郎
    監督:降旗康男
    製作:高岩淡
    企画:坂上順
    脚本:岩間秀樹 降旗康男

キャスト

高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、吉岡秀隆、安藤政信、平田満、中本賢、坂東英二、本田博太郎、石橋蓮司、志村けん、奈良岡朋子、田中好子、小林稔侍
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