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ほたるの星

上映会場:松戸市 松戸サンリオシアター 6F
上映時間:2005年10月15日 11:35〜/ 2005年10月16日 11:35〜

第16回東京国際映画祭コンペティション公式参加作品
2003 年/カラー/ビスタサイズ/101分/配給:角川映画・シネボイス

監督:菅原浩志

高校卒業後、米国留学。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)芸術学部映画・TV学科で映画製作、演出を学ぶ。ク・ムルーデ(優秀賞)を受賞し、'81年に同大学卒業。その後、ロサンゼルスで映画の仕事を経て、帰国。'88年に『ぼくらの七日間戦争』で監督デビュー。日米をベースに映画の監督・脚本・プロデュースで活躍。その他の主な作品に『Thst's カンニング』('96)、『ときめきメモリアル』('97)など。

物語

働きながら何度も教員試験を受け、やっと合格した元(はじめ)は、大きな希望を胸に山口県の小学校に赴任する。しかし現実は厳しく、戸惑うばかりだった。中でも気になるのがクラスの女生徒、比加里。東京から引っ越してきたという比加里は他の生徒と親しむこともなく、いつもひとりポツンといて、体育の授業にも参加しようとしない。見かねた元はなんとか比加里をクラスの輪に引き入れようとするが、かえって泣かれてしまう。そんな元に保険医の七海は焦らないようにと諭す。「家庭が複雑な子じゃからね。心の病が一番、面倒なんよ」。比加里は母を癌で亡くし父に育てられていたのだが、酔った父にたびたび手を上げられ、見かねた親戚に引きとられていたのだ。それを知って元は自身の子ども時代を思い出す。父が事業に失敗し、母に捨てられた元だったが、当時の担任だった瀧口先生のおかげで自分を見失わずに済み、教師になることを決心したのだった。
ある日、元は課外授業で川を見ながらふと「こんなところにほたるが飛んだら、きれいだろうな…」とつぶやいた。その言葉をきっかけに、元と生徒たちはほたるの飼育を始める。だが、川では護岸工事が始まり…。

解説

『ぼくらの七日間戦争』('88)で多くの若者の共感を呼んだ菅原浩志監督が、「心が豊かになる映画」をテーマに完成させた映画。『ほたるの星』は実話を元に新米教師と子供たちが心をひとつにしてほたるを飛ばすまでを描いた感動作だ。
ほたるは、人里を離れたところには生息せず、また、人が密集するところにも生息しない不思議な昆虫であり、理想的な環境をはかるバロメーターともいえる。大人にとっては懐かしく、子共にとっては新鮮なほたるの灯りを復活させるため、実際にほたる飼育に取り組んでいる小学校も年々増えてきているという。
『ほたるの星』は、山口県防府市立華浦(かほ)小学校の教諭・瀧口稔さんが子供たちと一緒にほたるを甦らせた実話を元にしている。この話を聞いた菅原監督は、すぐに“ほたるが一番会いたい人を連れて来てくれる”という美しい物語を着想したという。ロケは山口県の全面的な協力のもと柳井の白壁の街、秋芳洞、油谷町の棚田等山口を代表する景勝美の中で行われた。出演の子供たちのほとんどが演技自体が初めての経験だったが、監督の丁寧な指導のもと生き生きと自然な表情を見せている。

スタッフ

  • 監督・脚本:菅原浩志
    原作:宗田 理
    エグゼクティブ・プロデューサー:角川歴彦、山ア直樹
    プロデュ-サー:作間清子
    撮影:上野彰義

キャスト

  • 小澤征悦、山本未來、菅谷梨沙子、中原ひとみ、余貴美子、森公美子、北見敏之、八名信夫、樹木希林、役所広司
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