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CHARON

上映会場:柏市 アートコンプレックス 「MONAIZO」
上映時間:2005年10月16日 18:00〜

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2005 ゆうばりファンタランド大賞受賞
第53回マインハイム・ハイデルベルグ国際映画祭 インターナショナル・コンペティション正式招待
ドーヴィル・アジア映画祭コンペティション部門正式招待作品
2004年カンヌ国際映画祭マーケット出品
第10回スプリト国際映画祭フォーカス・コンペティション正式招待
2005年/日本語/35mm/89分/GRAND CAFE PICTURES ltd. ゴールデン・ネットワーク(香港)

監督:高橋玄

1965年 東京・新宿生まれ。
祖父は東映動画の創立者のひとりで日本アニメーション映画の先駆的監督・藪下泰次(『白蛇伝』『安寿と厨子王』『西遊記』など)。漫画家を志し、高校在学中に講談社ちばてつや賞入賞。以後、柴門ふみ、弘兼憲史に師事、アシスタントを務め、1985年、映画界に転向。東映東京撮影所の美術助手としてキャリアをスタートさせる。92年劇場映画『心臓抜き』で監督デビュー。97年、香港に渡り国際的な映画ビジネスを学び、各国映画人とのネットワークを形成、香港・上海映画界をパートナーとして国際映画市場への複数の映画企画が進行している。

物語

作家・勝木大(水上竜士)は、結婚相談所で「一切の性生活の不在」「私生活に干渉しないこと」「私を養わないこと」という奇妙な条件を提示した太田秀子(森崎めぐみ)と結婚した。
だが、作家の妻となった秀子は、書店の店員・川杉由都、そしてギャングの示現道男(川本淳市)と暮らす娼婦・カロンという3つの顔を持つ多重生活者。
ある日、客に殺されかけたカロンは、自己防衛で傷害事件を起こす。カロンと道男の関係が変わり始めたその頃、夫である勝木は、妻が娼婦・カロンであると知り、客としてカロンをホテルの部屋に呼んだ。その翌日、カロンは町から姿を消した。夫と恋人にそれぞれ最後の食事をテーブルに残して。
元夫である勝木と、元恋人の道男は、それぞれ別の道からカロンの足取りを追う中で出会い、共にカロンを探す旅に出る。
そして、作家とギャング、ふたりの男が辿り着いた旅の先に見たものは、彼女がカロンと名乗り続けた悲しい謎の解答だった。

解説

太陽系第九惑星、冥王星。
現在、人類の探査機が唯一、到達していない太陽系最遠の、この惑星の衛星が「カロン(Charon)」です。ギリシャ神話に登場する、三途の川の渡し守、つまり、死後の世界への警備員といった意味の名前がつけられた衛星です。
カロンは、私たちの住む地球と違い、自転周期が6・387日。地球における1日が、カロンでは約1週間の時間となるのです。
さて、こんな話から皆さんは、なにを想像するでしょうか。切迫する日常の経済、卑近な人間関係の煩雑、世界に視野を広げても止まない紛争と病理の社会が私たちを取り囲む中で、太陽系で最も遠い星についての話など、誰が耳を傾けるでしょうか。
しかし、カロンの存在は「希望」や「未来」といった漠然とした言葉がイメージする世界に非常に似ています。
生きる希望や輝ける未来は、カロンのように、私たちから常に遠い場所にあり、いまはまだ見えないイメージの世界です。それでも、人間はそれを見ようとし、または、そこへ辿り着こうとしながら地上の世界を生きているのです。
この映画『CHARON(カロン)』は、カロンという冥王星の衛星をキーワードに、未知の未来と希望を捨てずに生きる大切さを語るラヴ・ストーリーであると同時に、ひとりの女性を見守る作家とギャングの心の旅を通して、「見えないものを信じる力」を描く「心に優しいアウトロー映画」なのです
主人公たちは売春婦、ギャング、作家。つまり、どこの国にもいるキャラクターであり、地球の外にある惑星を物語の象徴とすることで、私は世界の観客に理解できる物語を提供したいと考えたのです。
映画や映画創りそのものこそが、見えないものを信じる力で支えられているのです。

スタッフ

  • 制作:GRAND CAFE PICTUTURES ltd.
    エグゼクティヴ・プロデューサー:鄭振邦
    プロデューサー:高橋玄/川本淳市
    監督/脚本:高橋玄
    撮影:飯岡聖英
    照明:小川満
    録音:菊地進平
    編集:菅野善雄
    効果:柴崎憲治
    音楽:高井ウララ/村上純/小倉直人/カロン弦楽四重奏団
    美術:吉田悦子 
    メイク:小堺なな
    助監督:中西正茂

キャスト

川本淳市、水上竜士、森崎めぐみ、水木英昭、舩木壱輝、國井まりあ、深井亜紀、新橋鳩美、藤村忠生、中田圭、山下真広、岡村洋一、木下順介、いわいのふ健、吉守京太、手呂内康佑、張魔夫
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