物語
それはこの国の真ん中から少し外れたところにある孤児院のお話し。
その孤児院『なかま』で彼らは里親が現れるまでの間集団生活を送る。
彼らは身の回りの事は全て自分達でやる、共に働き共に遊び共に食べ共に寝共に喧嘩し共に成長する。
その小さな体の中に静かな強さを持ったリョウ。不器用ないじめっこのイブキ。マイペースでのんびり屋なレオ。・・・。そんな彼らの個性がぶつかりあい、ひとつになりして小さな社会を形成していく。
その子供達の姿に、誰にでも、あなたの中にもある。幼かった頃の記憶にない記憶の話。
匂い。空気のや空や土の匂い。
遠い彼方、記憶の片隅、しかしながら確実に存在する、存在した自分、空間。
確実に何かを感じ何かを見ていた自分。
匂いや何かの瞬間にだけほんの一瞬生々しく鮮明な胸騒ぎがして、私たちはそれが何だかわからない。それがほんのわずかな記憶の光を放つ瞬間。
それを掴むすべもない私たち。
これはあなたにもある「記憶にない記憶」。
そんなお話し。